「鈴虫寺」という名称で親しまれているのは、京都にある華厳寺(けごんじ)です。
華厳寺は四季を通してスズムシを飼育しているため、このような名で呼ばれています。多くのカップルが訪れている、人気の高い観光スポットです。
スズムシの涼しげな音色を聞くことができる鈴虫寺をご紹介します。
鈴虫寺の魅力
スズムシ
鈴虫寺で、「リィーン、リィーン」と鈴のようなスズムシの音色を聞くことができます。
スズムシは6月上旬にふ化し、夏頃成虫になります。10月下旬には短い一生を終えます。
夜行性の昆虫なので、昼の間は草むらや枯れ木の下などに隠れているということです。
鈴虫寺では、スズムシの音色を一年中聞けるようにと、温度管理されているようです。
スズムシの音色は、人間の耳には心地よく聞こえますが、電話で聞くことはできないようです。
残念ながら電話でスズムシの音色を、ほかの人に聞かせることはできません。
スズムシの鳴き声が、電話機の周波数の範囲外だからということです。携帯電話でスズムシの音色を伝えても聞こえないのは、そのためです。
幸福地蔵菩薩
鈴虫寺の石段を上った山門脇のところに、「幸福地蔵様」が立っています。
幸福地蔵様は、右手に「錫杖(しゃくじょう)」、左手に「宝珠(ほうじゅ)」を持っています。
普通のお地蔵様ははだしですが、幸福地蔵様はわらじをお履きになっています。幸福地蔵様が願いを叶えるために、歩いて来てくださるからだそうです。
幸福地蔵様には「一願成就」と言って、ひとつだけ願いを叶えていただくことができます。
幸福のお守り
鈴虫寺のお守りは、幸福地蔵様の化身だと言われています。
幸福のお守りの中に、お地蔵様が入っておられます。幸福のお守りが、それを持つ人を守ってくださるということです。
肌身離さず、鈴虫寺の幸福のお守りを身につけておいてください。
鈴虫説法
鈴虫寺では、鈴虫の音色とともにお坊さんの説話が聞ける、「鈴虫説法」の時間をもうけています。
スズムシの音色は、「教えの音」と言われています。スズムシの良い音色をバックに、お坊さんの面白い説話をお楽しみになれます。
スズムシの音色はキレイですが、虫が苦手な方はスズムシが8000匹というお寺ですから、見ないほうがいいかもしれませんね。
スズムシはコオロギ科ですから、コオロギが苦手な方は注意が必要です。
一度に数十名の参拝客が座敷に通され、鈴虫寺の住職をはじめとしてお坊さんが、鈴虫寺の歴史についてや参拝方法、日々の心の持ち方などについてお話しされます。
参拝客にはカップルもいれば、お子さん連れのご家族もいます。
参拝する方々を飽きさせないように、お坊さんは面白いお話をされています。説法と言っても、宗教くさい堅苦しい話ではないようです。
鈴虫説法の内容ですが、行くたびごとに変わるということです。いろんなためになるお話を聞くことができるでしょう。
説法の時間は決まっておらず、30分程度の時間でお茶とお菓子がついているというものです。
鈴虫説法にて、より良く生きるヒントがもらえます。
鈴虫寺では、いろんな方のお悩みをメールでおうかがいする窓口を設けています。
誰にも言えない悩みをお坊さんに打ち明けるだけでも、気持ちがラクになるかもしれません。日本全国から、鈴虫寺にさまざまなお悩みが寄せられています。
鈴虫寺はたいへん人気の高いお寺なので、メールの返事が遅れる場合もあるようですが、ためになる回答をもらうことができるでしょう。
鈴虫寺では、入口で拝観料金を支払ってから鈴虫説法を聞きます。
お坊さんの説法を聞いた後に幸福のお守りを買い、境内や庭園内を散策してから幸福地蔵様へのお参りという流れになるでしょう。
春には、花まつりが開催されています。「納めの地蔵」や「大根炊き」なども、鈴虫寺の評判の良いイベントのひとつです。
鈴虫寺の庭園は、風情あふれる回遊式の庭園で春には梅や桜の花、夏は新緑と百日紅、秋には色あざやかな紅葉、冬は幻想的な雪景色と四季折々の自然を見ることができます。
さらに、スズムシの涼しげな音色が心を落ち着けてくれるでしょう。
鈴虫寺はたいへん人気のあるお寺なので、そうとうな混雑が予想されます。土・日や祝日、連休などは混み合いますから、平日の参拝がおすすめです。
鈴虫寺のホームページに「混雑予想」が掲載されています。
混雑予想は、「混雑」、「やや混雑」、「混雑なし」に分かれています。
混雑しそうな日でも、朝夕やお昼どきは比較的すいているようなので、時間をずらしてお出かけください。
説法を聞くために数十名の参拝客が一度に移動しますから、長い行列ができて説法を聞くのに時間がかかるようです。2~3時間待ちとなることも、珍しくないようです。
鈴虫寺を参拝した方の中には、子宝に恵まれた方、病気から回復された方などの効果が見られるということです。
叶えたい願い事がある方は、スズムシの涼しげな音色を聞きに鈴虫寺に足を運ばれてみてはいかがでしょう?